
無痛分娩という言葉
整体の創始者である野口晴哉さんの著書『育児の本』から抜粋します。
出産というものは無痛でなされるものです。
それを、痛みがないと出産出来ないように思い込んでいる人が多いために、出産ということが痛く、又、そうであるように伝えられ、伝えられたことを鵜呑みにすることによって痛いもにになっているのです。
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出産というものはもともと痛みとは関係が少ないもので、出産の行われるのは運動神経の緊張と収縮によるものですから、心静かに経過を見れば痛みというよりは収縮感、張る感じによって経過しているものなのです。
出産時の体の動きや仕組みを知り、出産に対する考え方が変わると、少しは自然な分娩に近づけると思います。
体を動かす原動力はは心。
出産は痛いものだという心が、そういうふうに体を動かしています。
本当に自然の流れに任せた出産であれば、痛みとは無縁のはずなんです。
そもそも、分娩に〝無痛〟をつけること自体が不自然。
麻酔による無痛分娩
フランスでは、ほぼほぼ100%、アメリカでは約80%が麻酔による無痛分娩だとか。
それに比べると日本はまだそれほど普及している感はありませんよね。
個人的には、余り普及して欲しくないな〜というのが正直な気持ちです。
理由は、明らかに〝不必要な〟医療介入と思えるからです。
分娩時に止むを得ず陣痛促進剤を使ったり帝王切開をする場合があります。
緊急時のこのような処置は、〝必要な〟医療介入と捉え、自然の流れの一部なのかもしれないと思えなくもないですが、、、
100%ではないですが、赤ちゃんがそれを望んで生まれてくる場合もありますからね。
ですが、最初から麻酔で出産する、帝王切開で出産する、と決めているケースは、明らかに自然とは言えないですよね。
そういったバース・トラウマの影響としては、無気力になったり薬物依存症になるといった海外の統計結果もあります。
でも、麻酔での出産がほぼ100%のフランス人が、全員無気力かといえばそうではない。
つまり、例えバース・トラウマがあっても、その後の人生に影響を与えるか与えないかは、家庭環境や人間関係などにもよるということです。
フランスなどは愛情表現たっぷりのお国柄ですからね。
愛情たっぷりの親子関係の中で、バース・トラウマも自然に消滅しているのかもしれません。
自分では気付かない間にトラウマを手放しているケースもあります。
ただ、やはりトラウマを持って生まれるより、持たないで生まれる方が、お母さんにとっても子供にとっても生きやすいことは確かです。
無痛分娩が普及している欧米では、麻酔による事故の事例は多数あります。
どんな出産にもリスクは付きものですが、安易に麻酔に頼るのではなく、慎重に検討する必要はあると思います。
帝王切開の麻酔と無痛分娩の麻酔の違い
帝王切開と無痛分娩は全く別のものです。
どちらも麻酔を使いますが、帝王切開は手術ですのでより強い麻酔になりますし、母子に危険が及ぶ可能性がある場合は全身麻酔になります。
それに比べ無痛分娩は、分娩を手助けするという考えのもと硬膜外麻酔による下半身だけの痛み止めです。
まれに無痛分娩で下半身の感覚が鈍くなり、いきむことができないために帝王切開になる場合があるようです。
自然の成り行きに任せていれば、そもそも〝いきみ〟なんていうものは必要ないんですよ。
出産に対する考え方
どうして麻酔による無痛分娩という選択を考えるんでしょうか。
全ては、出産が痛いものだという考えから、それを回避しようという思いからですよね。
女性は出産に対する知識をもっと持つべきだと思います。
本番の試験のために、受験生は必死で勉強します。
受験勉強をせずに本番の試験に臨むのと、してから臨むのとでは、結果は明らかに違いますよね。
それと同様に、妊婦さんも10ヵ月後の出産に備えて、女性の体のことをもっと知った方が良いのではないかと思います。
準備期間はたっぷりあります。
『お産について学ぼう』もぜひ参考にしてください。
こちらの本は、自然誕生がどういうものなのかとても勉強になる本ですよ。
待ってるね赤ちゃん
しあわせな お産自然出産を超えて自然誕生へ 斎藤純子 |
どんな出産をするにせよ、もっとも重要なのは赤ちゃんとの胎話です。
一にも二にも、何が何でも胎話です。