
野口晴哉という人
野口整体を知る機会があり、興味のある関係著書を数冊購入しました。
野口晴哉の妻、野口昭子の著書『回想の野口晴哉』を今日読み終えました。
野口晴哉の凄さを改めて感じています。
15歳の時に、活元運動と愉気を主体とした仕事で独立。
17歳で『全生訓』を発表し、以後、一貫して「活き活きと生を全うする」ことを指針に据えた活動をしていました。
「活き活きと生を全うする」とは、今で言う健康長寿の事ですよね。
10代で・・・と感心しますが、12歳から16歳の間に松本道別氏(霊術家・療術家)の元で修行をしたようです。
活元運動
活元運動とは、身体自らが不調を回復する動き、またはそのための体操法・行法のこと。
あくびやしゃっくりは、活元運動です。
あくびはしようと思ってするのではなく、勝手に出てきます。
しゃっくりも自分で「さぁ、今からしゃっくりしよう」と思うわけではありません。
こういった勝手に行われる体の動きが活元運動です。
おそらくですが、夜中にうつ寝返りも活元運動の一種ではないでしょうか。
寝返りは自ら背骨の歪みを調整するために行われている、と何かの本で読んだ記憶があります。
どうやって身体が歪んだか、どうやって病へと傾斜したか・・・
いかなる抑圧がかかっていて、いかなる調整で解消されるか・・・
これら全てがわかっているのは他ならぬ本人の身体のみ。
内に堆積している歪みを解消する運動を無意識のなかから引き出すのが活元運動です。
病気を作るのも治すのも自分自身と言う事です。
愉気法
人間がお互いを守ろうとする本能的な「手当て」が進化したものが〝愉気法〟
呼吸法を基礎として精神を集注させた気の感応の実践法、とのこと。
日本には昔からレイキがありますが、いわゆる〝波動〟と呼ばれるエネルギーワークの事です。
人間の体からは常にその人の気が出ています。
お母さんが作ったおにぎりが、コンビニのおにぎりより美味しいのは、愛情とういう気が入っているからです。
「痛いの痛いの飛んでいけ~」と手を当てる行為も、真剣に気を送ればちゃんと効果はあります。
体壁
本の中には、度々この人は〇〇の体壁だから△△といった表現がよく出てきます。
野口晴哉は、何千人という身体を観ていく中で「性格は身体の動きのクセ」という事を発見したのです。
それを種類別に分類した独自の表現が、何やらとても興味をそそられました。
体壁診断のサイトがありましたので、ご興味があればご参照ください。
これが理解できるようになると、人の接し方や子供の育て方も困らないような気がします。
実際、本の中の野口晴哉の孫への対応がお見事なのです。
潜在意識
野口晴哉の著書の中でもイチオシなのが、潜在意識に関する本です。
現在、潜在意識の本は多数出版されていますが、その多くは潜在意識を活用して運を引き寄せる方法のような気がします。
野口晴哉の潜在教育シリーズの本は、子育てや躾、嫁姑関係、病気などに関して、役に立つことがいっぱい書かれています。
読みながら、唸りっぱなしです(笑)
健康法
ヨガや瞑想、おそらく全ての健康法に共通するのが呼吸法。
私たちは普段無意識に呼吸をしていますが、少し意識して深い呼吸をすることは本当に大事だと思います。
思考についても「今を生きる」
いつ死んでもいいように、自分のできる事を今、精一杯する
これは、この本の中での野口晴哉の次男の言葉です。
私は、この思考こそが心身ともに健康に生きる基本だと思っています。
感想
『回想の野口晴哉』の中には、素晴らしい言葉や表現がいっぱい出てきます。
ちょっと笑ってしまうような話や不思議な話も。
この本を読むと、どんな病気も自分で治せる気がしてくるのです。
というか、実際そうなんだと思えてなりません。
そうできなくしているのは結局、自分自身。
普段から瞑想などで自分のうちなる声を聞いていれば、いざ病気になった時に何をすれば良いかわかります。
自分の体の要求に従うのみです。
食べたい時に食べ、寝たい時に寝、したい事をする。
人間の体はどうすれば治癒するかをちゃんとわかっているのです。
それなのに、病人は食べないと治らないとか他人が勝手に判断して無理に食べさせたり薬を飲ませたり。
今からでも少しずつ自然自己治癒力を高める生活をしようと思いました。
回想の野口晴哉 野口 昭子著
ちくま文庫 – 2006/3/9 |