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自然出産とは

自然出産については、特に定義はないように思います。

産婦人科医によっても、考え方は違っているように感じます。

どんな出産を自然と呼ぶかは人や立場によって変わりますので、ご自身が自然だと思うものが自然出産です。

私の考える自然出産の定義は、自宅や助産院で、妊婦の身体の自然の動き・流れのまま出産をすることです。

最近では、病院でも緊急時以外は医療介入せず、フリースタイルで自然に任せて出産ができるところもあるようですね。

イメージ的には、下図のような感じになります。

医療介入分娩というのは、病院での出産のことです。

出産の現状

古い資料しかなくて恐縮ですが、出産に関するデータを並べてみました。

 

 

現在、殆どの出産が病院や診療所で行われています。

助産院や自宅出産の占める割合は、わずか1〜2%。

ですが、病院での出産が増えたことで新生児・妊産婦死亡率はかなり減少しています。

出生時間と曜日に関するデータを見て、何か気付いたことはないでしょうか。

病院では、出生時間が12〜14時に集中しており、曜日も月〜金の平日に多いことがわかります。

これは、病院の都合で出産が行われているということです。

私が、病院での出産=医療介入と呼ぶのは、病院で出産することにより、すでに医療の介入が行われ出生日時が操作されていると思うからです。

もちろん、病院でも普通に出産される方もいらっしゃるのですが、分娩台で出産することがすでに医療介入とも言えます。

なぜなら、分娩台での出産は医療従事者の都合だからです。

医療介入のおかげで新生児・妊産婦死亡率が減少しているのは、確かに有り難いことです。

が、病院の都合によって陣痛促進剤による平日昼間出産が増えることには疑問を感じます。

医療裁判を避けるために、赤ちゃんが自力で生まれようとするのを待たずに、医療介入をしているのです。

医療介入を完全否定しているわけではありません。

不必要な医療介入は、バース・トラウマの一因となることがあるので、できれば避けたいという思いです。

とは言え、医師不足の中、一生懸命頑張ってくださっている貴重な産婦人科医の方々には感謝しなくてはいけません。

医療介入が増えた原因は、妊産婦にもあるように思います。

下図は、病院出産での正常出産と異常出産の割合の変化です。

異常出産が増えた理由は、上図にある他に、出産年齢が上がっていることも関係があるかもしれません。

異常出産というのは違和感のある表現ですが、出産の過程で通常とは違った措置が取られたことを意味します。

正常出産で赤ちゃんを迎えるためには、妊産婦さんの努力も必要ではないでしょうか。

理想の自然出産

理想のお産は〝待つお産〟です。

  1. 赤ちゃんの生まれたい気持ちを待つ
  2. お母さんの体がお産の準備をするのを待つ
  3. 骨盤の動きを待つ
  4. 赤ちゃんの回旋を待つ
  5. 会陰が伸びるのを待つ
  6. 赤ちゃんが呼吸を始めるのを待つ
  7. 胎盤が自然に出て、へその緒の拍動が止まるのを待つ

病院では、5を待たずに会陰切開をするところが多いようです。

妊婦さんにもよりますが、毎日会陰マッサージをしていれば、陣痛を繰り返していく内に自然に伸びていきます。

女性には本来、正常に自然な出産をする機能が備わっています。

女性の身体は、どのように赤ちゃんを産めばよいのかを本能的にわかっています。

つまり、ほとんどの妊婦さん(ハイリスク妊娠を除いて)は穏やかで落ち着いた出産が可能です。

落ち着いた気持ちで、身体の自然な変化に身を任せて入れば、理想の〝待つお産〟ができます。

病院での一般的な分娩では、

①毛を剃る ②浣腸をする ③監視装置につながれる ④固定される ⑤会陰切開

などが、今でもされているところがあると思います。

このようなことは、妊婦さんにとっては苦痛ではないでしょうか。

妊婦さんに一番必要なのはリラックス。

できれば、全て避けて通りたいですね。

赤ちゃんに対しても、

①軌道吸引 ②へその緒の早期切断 ③抗生物質の点眼

が行われます。

赤ちゃんは、生まれてから少し待てば自力で呼吸を開始します。

せっかく自力で生まれてきても、呼吸は自力ではさせてもらえないのはショックです。

また、お母さんの栄養はおへそを通して赤ちゃんに回り、赤ちゃんの体を通ってきた古い血がおへそを通して胎盤に戻っていきます。

へその緒は、赤ちゃんにとっては命綱です。

フレデリック・ルボワイエ著『暴力なき出産-バースサイコロジー 子供は誕生を覚えている』には、へその緒の早期切断は、赤ちゃんにとってはかなりの苦痛であると書かれています。

そして、抗生物質の点眼は、赤ちゃんにとっては異物です。

生まれたての綺麗な赤ちゃんの体に異物を混入するなんて、もってのほかです。

点眼せずとも、元気に育っている赤ちゃんもいます。

病院で点眼不要だというと、一筆書かされるそうですが、

親が、自分の子供の力を信じると子供は必ずそれに答えます。

赤ちゃんは、ちゃんと親の言動を見ていますよ!

親子の信頼関係は、こんなところからスタートするのですね。

これらの処置は、できるだけ避けたいものですが、全く何も問題なく自然に出産した赤ちゃんの場合に限ります。

ご自身の勝手な判断で主張しないようにお願いします。

出産=痛いという思い込み

以前、婚約間近の親友の娘さんに、催眠出産の話をしたところ、

「無痛で出産するなんて、絶対ありえない!」と主張していました。

いくら思い込みだからといっても、そんなわけがないとの一点張り。

「思考はすぐには変えられない」と思いますか?

そんなことは全くありません。

体型を変えることはすぐには無理ですが、思考は今からでもすぐに変えることができます。

思考は、あなたの頭の中にあるだけで目に見えないものです。

なんとでも変えることができるのです。

出産=痛いは、潜在意識に植え込まれた思い込み

出産経験のない人でも、出産は痛いものと思っています。

一番の影響は、テレビや映画での出産シーンでしょう。

出産とは、女の人が痛みに耐えて、叫びながらするものだと思い込んでいませんか?

どのようなお産を経験するかは、自分がどのようなイメージを抱いているか、という事が最も影響します。

身体で体験することは、まず心で決定されます。

これは、出産だけでなく、心の病気・体の病気すべてに当てはまります。

初産の人は特に、出産に対して恐怖心を持つ人もいます。

恐れの感情は、最も激しく衰弱力の強い感情であり、女性の本能的な出産能力を妨げます。

出産に恐怖感を抱く女性は、そうでない女性よりも分娩時間が長引く傾向にある

というノルウェー研究チームの発表もあります。

女性が持つ本来の出産機能を発揮させるには、心のリラックスが一番です。

そのためには、思い込みをかえ、出産という楽しい未来にフォーカスするだけです。

この点に関しては、別の記事で書く予定です。

一つ、例をあげておきます。

■秘密の出産

赤ちゃん産み落とし事件は、ニュースで聞く事があると思います。

妊娠したけれど誰にも相談できず、中絶する事もできず、人知れず産み落としてしまうのですが、彼女たちはおそらく出産にそれほど痛みは感じていないと思います。

なぜなら〝誰にもバレずに内緒で産み落とさなければならない〟という強い意思があるからです。

出産の恐怖よりも、妊娠がバレることの恐怖の方が勝っているのです。

フォーカスが出産以外のところに向いているため痛みは二の次なのです。

母親や友人など出産経験者の話は、全くアテになりません。

なぜなら、その人の出産だからです。

妊婦さん一人一人が皆、同じ出産をするわけではありません。

難産だった人は、潜在意識に出産とは難しいものだと思わせていた結果です。

自分の出産は、自分だけがプロデュース出来るのです。

あなたの理想の出産を毎日思い描き、潜在意識に出産とはそういうものなのだと思わせる事が重要です。

潜在意識は、あなたが思い描い通りに身体を動かしてくれます。

野口晴哉の言葉

野口晴哉著『誕生前後の生活 (1978年) 』より抜粋します。

皆、産む時に快感を見つけようとすることに怠慢です。

苦痛だけが色々な暗示で強調されている。

痛くならなくては生まれないというような暗示で痛みが誇張されて、分娩予定日となると朝から産むものとして用心している。

私は男だから大便をする経験しかありません。

大便でも、夕方出るものを朝から便所へ行って気張っているようなことはしません。

気張っても出ないということを知っているからです。

出たくなって気張るから出る。

気張りで出るのではなくて、おのずから力んでしまって出るので、意識して気張って出るのではない。

体が気張ってくる、体に力みが出てきて大便が出てくる。

お産の場合もそれと同じで、意識して気張って生まれるものではない。

そういう力みが出てきて生まれる。

体がいきむから生まれるのです。

その意識か無意識かの区別をつけないために、予定日だというと朝から気張っている。

そして病院に行って、仰向けになって生まれてくるのを待っているというようなことをやっておりますけれども、大便のことを考えると非常に曖昧で、そういうことで腰の緊張を弛くしてしまい、反って出にくくしている。

お産では仰向けになる事が常識になっています。

しかしそれは、手伝う側が便利だというだけで、産む側から言えば妙なやり方です。

自然の力みを鈍くする様式です。

今のお産は手伝う人の方に主体が移ってしまっている。

そういう出産様式を真似てはいけないと思うのです。

少なくとも、いつ生まれるかという予定に基づいて、寝て待っているということは怠慢です。

昭和53年3月に初版発行されている書籍です。

この頃から、仰向け出産スタイルにダメ出ししていますね。

かなり昔の話ですが、今と共通するところも十分あるのではないでしょうか。

 

※一部の記事は、(株)ナチュラル・ハーモニー発行『自然誕生に込めた思い』を元に記載しています。